東京都では、クリニック・医療機関の医療DXを支援するために複数の補助金・助成金制度を設けています。しかし「自院はどの制度が対象になるか」「電子カルテ導入前か導入済みかで変わるのか」など、複数の制度が存在するため把握が難しいのが現状です。
本記事では、東京都内のクリニック・診療所が2026年に活用できる主な医療DX補助金を、用途別に整理してわかりやすく解説します。
東京都クリニック向け補助金は「対象条件」が重要
東京都の医療DX補助金は、制度ごとに対象となる医療機関の条件が細かく設定されています。申請前に以下の4点を確認しておくことが重要です。
① 東京都内の医療機関か
東京都が運営する補助金制度は、東京都内に所在する医療機関が対象です。神奈川・埼玉・千葉など隣接都道府県に所在するクリニックは対象外となります。
② 保険医療機関か(保険診療を行っているか)
多くの制度で、保険医療機関としての指定を受けていることが要件に含まれます。完全自費診療のクリニックは対象外になる場合があります(後述)。
③ 電子カルテを導入済みか・未導入か
電子カルテの導入状況によって、対象となる補助金が異なります。未導入の場合はコンサル費の補助(デジタル導入支援)、導入費には別制度(デジタル推進事業)、導入済みの場合はセキュリティ補助が活用しやすくなります。
④ 無床診療所か・有床診療所か・病院か
制度によっては無床診療所(入院施設のない一般クリニック)のみが対象、または有床診療所・200床未満の病院まで含む場合があります。自院の施設種別を確認してから申請を進めましょう。
東京都内クリニックが確認したい主な医療DX補助金一覧
以下は、東京都が提供する主な医療DX関連補助金のまとめ表です。制度名をご確認の上、詳細ページでご確認ください。
| 制度名 | 主な対象 | 主な用途 | 電子カルテ要件 |
|---|---|---|---|
| 医療機関診療情報デジタル導入支援事業 | 都内保険医療機関 (無床・有床・200床未満) |
導入前コンサル費・調査費 | 未導入が条件 |
| 診療所診療情報デジタル推進事業 | 都内診療所 (無床・有床) |
電子カルテ導入・更新費 医事会計・セキュリティ |
未導入または更新 |
| 医療機関診療情報サイバーセキュリティ対策支援事業 | 都内保険医療機関 (電子カルテ導入済み) |
バックアップ・EDR・ 端末セキュリティ |
導入済みが条件 |
| 東京都DX推進人材確保・育成補助金 | 都内中小企業 (医療機関を含む) |
DX研修・人材育成費 | 問わない |
| AI・IoT等を活用した先進的サービス創出支援 | 都内中小企業等 | AI問診・音声入力・ AI通訳等の導入 |
問わない |
| オンライン診療・電話診療 導入支援 | 都内保険医療機関 | オンライン診療システム 導入・設備費 |
問わない |
※制度名・対象・要件は公募時期により変更される場合があります。最新情報は各制度の公式ページをご確認ください。
電子カルテ導入・更新で使いやすい補助金
電子カルテの導入・更新を検討しているクリニックには、主に2つの段階で補助金が活用できます。
どの電子カルテを選べばよいか分からない段階から、専門家の助けを借りる費用を補助します。医療機関診療情報デジタル導入支援事業が該当します。
電子カルテ本体・医事会計システム・セキュリティ対策までまとめて補助を受けられる診療所診療情報デジタル推進事業が該当します。
サイバーセキュリティ・バックアップで使いやすい補助金
ランサムウェアや不正アクセスによる医療機関へのサイバー攻撃は年々増加しています。電子カルテをすでに導入しているクリニックには、セキュリティ強化に特化した補助金が用意されています。
医療機関診療情報サイバーセキュリティ対策支援事業では、バックアップ機器・EDR(端末セキュリティ)・リモートアクセス対策などが対象になります。
DX研修で使いやすい補助金
医療DXを推進するためには、システム導入だけでなくスタッフのDXリテラシー向上が不可欠です。東京都のDX推進人材確保・育成補助金は、医療機関のスタッフがDX関連の研修・セミナーを受講する際の費用に活用できます。
- 電子カルテ・医療DXシステムの操作研修
- 情報セキュリティ・個人情報保護研修
- AI・データ活用に関するリテラシー研修
- 診療報酬請求・医事会計DX研修
- オンライン診療導入・運用研修
詳細は今後の記事で解説予定です。最新情報は補助金診断ページからご確認ください。
AI問診・音声入力・AI通訳で使いやすい補助金
問診票のデジタル化・音声入力による電子カルテ入力効率化・多言語AI通訳システムの導入は、クリニックの業務効率と患者満足度を大きく向上させます。
東京都の「AI・IoT等を活用した先進的サービス創出支援」では、こうしたAIツール導入費用の一部を補助します。医療機関が中小企業として申請できる場合があります。
- AI問診システムの導入費・ライセンス費
- 音声入力(音声認識)ソフトウェアの導入費
- AI多言語通訳システムの導入費
- 患者向けチャットボット・案内システム
詳細は今後の記事で解説予定です。
オンライン診療・遠隔医療で使いやすい補助金
コロナ禍以降、オンライン診療の恒久化が進んでいます。東京都では、オンライン診療システムの導入費や必要な通信設備費用を補助する制度があります。
- オンライン診療プラットフォームの導入費
- 遠隔診療に必要な通信機器・タブレット
- 患者向けオンライン予約システムとの連携
- 電子処方箋・薬局連携システムの整備
詳細は今後の記事で解説予定です。
完全自費診療の美容クリニックは対象になるか
美容医療・審美歯科など保険診療を行わない完全自費診療のクリニックは、東京都の医療DX補助金の多くで対象外となる場合があります。
ただし、以下の点は確認が必要です。
- 保険診療と自費診療を両方行っているクリニックは、保険医療機関として対象になる場合がある
- DX研修補助金や中小企業向けIT補助金は、業種制限が少なく医療機関全般が対象になる場合がある
- 国の「IT導入補助金」(中小機構)は保険医療機関でなくても申請できる場合がある
自院の状況に合わせて確認することをおすすめします。6問の診断で、対象になりやすい補助金を確認できます。
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