東京都の医療機関向けサイバーセキュリティ補助金とは?
電子カルテ・バックアップ・端末対策を解説

医療機関へのランサムウェア被害は年々増加しています

電子カルテを導入済みのクリニックでも、バックアップ未整備・端末セキュリティ不足により、サイバー攻撃で診療停止に追い込まれるケースが報告されています。この補助金はそのリスクに対処するための資金を支援します。

補助金の概要

医療機関診療情報サイバーセキュリティ対策支援事業は、電子カルテを導入済みの東京都内医療機関が、サイバーセキュリティ対策に必要な機器・ソフトウェアの導入費用の一部を東京都が補助する制度です。

主にバックアップ機器・EDR(Endpoint Detection and Response)・リモートアクセス対策・端末セキュリティなどが補助の対象となります。電子カルテを守るためのセキュリティ基盤を整備する際に活用できます。

電子カルテを未導入で、まず導入を検討している場合は診療所診療情報デジタル推進事業をご確認ください。

対象となる医療機関

この補助金は、電子カルテを導入済みであることが前提条件になります。

重要:電子カルテが未導入のクリニックは対象外です。まず診療所診療情報デジタル推進事業で電子カルテを導入した後、本制度を活用するのがスムーズです。

対象となるシステム・経費

電子カルテデータを守るための以下のシステム・機器が主な対象となります。

💾
バックアップ機器
外付けNASやクラウドバックアップサービス。ランサムウェア感染時に電子カルテデータを復旧するための基盤。
🛡
EDR(端末セキュリティ)
Endpoint Detection and Response。PCやサーバーに常駐し、不審な動作をリアルタイムで検知・遮断するツール。
🔑
リモートアクセス対策
VPN・多要素認証(MFA)の整備。外部からの不正なリモートアクセスをブロックするための認証強化。
🔥
ファイアウォール・UTM
院内ネットワークの入口対策。外部からの攻撃トラフィックを遮断し、不正アクセスを防ぐ機器・ソフトウェア。

具体的な対象費用

対象外になりやすい費用

補助率・上限額

最新の補助率・上限額・公募時期は以下の公式ページをご確認ください。

なぜクリニックのサイバーセキュリティ対策が重要か

医療機関は患者の個人情報・診療記録という極めて機密性の高いデータを扱います。サイバー攻撃によるデータ漏洩・暗号化は、診療停止・患者への信頼失墜・法的責任に直結します。

ランサムウェア被害の実例

国内外の医療機関でランサムウェア被害が相次いでいます。被害発生後は以下のような深刻な影響が報告されています。

事例 1:電子カルテシステムの完全停止

院内サーバーがランサムウェアに感染し、電子カルテが数週間にわたって使用不能に。紙での診療に切り替えを余儀なくされ、診療効率が大幅に低下。

事例 2:患者データの暗号化と身代金要求

数千人分の患者データが暗号化され、復号のために高額な身代金を要求された。バックアップ未整備のため、データ復旧に数ヶ月を要した。

事例 3:VPN機器の脆弱性を突いた侵入

古いVPN機器の脆弱性を悪用した攻撃者が院内ネットワークに侵入。電子カルテサーバーへのアクセスに成功し、データを窃取された。

医療機関が狙われやすい理由

この補助金が向いているクリニック

よくある質問

Q 電子カルテはクラウド型です。それでもバックアップ補助は対象になりますか?
A クラウド型電子カルテの場合、データ保管はベンダー側のサーバーになりますが、院内で扱うデータ・端末のセキュリティ対策(EDR・端末管理・リモートアクセス対策)は引き続き補助対象になる場合があります。バックアップについては、ベンダーが提供するバックアップ機能の範囲と自院で追加する対策の内容を整理した上で申請要件を確認してください。
Q 診療所診療情報デジタル推進事業と同時に申請できますか?
A 電子カルテを今年度新規導入する場合、導入時のセキュリティ費用はデジタル推進事業に含める形で申請し、追加のセキュリティ強化は本制度で申請するという使い分けが考えられます。ただし費用の二重計上は認められないため、申請前に各制度の対象費用を明確に区分してください。
Q 脆弱性診断はどの業者に依頼すればよいですか?
A 補助金の対象として認められる業者要件(例:特定の認定資格を持つ事業者、東京都登録業者等)が公募要項で定められる場合があります。TAI-SECでは医療機関向けのサイバーセキュリティ診断・対策支援を提供しています。詳しくは公式サイトよりお問い合わせください。

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※本記事は公開情報に基づく解説です。最終的な補助金の対象可否・採択は各制度の募集要項・申請時点の公募状況・東京都等の審査により決定されます。